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『抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より』(56)『スリ』(59)『やさしい女』(69)などで知られるフランスの映画監督、ロベール・ブレッソン。プロの俳優をキャスティングせず素人を起用するなど、過度な演出を徹底的に排除して真実そのものを追求する映像表現〈シネマトグラフ〉を標榜。ゴダールらヌーヴェルヴァーグの作家たちをはじめ世界中の映画人に多大な影響を及ぼし、寡作ながら唯一無二の傑作を生み出してきた彼の、日本では特集上映などを除き劇場未公開だったふたつの作品『湖のランスロ』『たぶん悪魔が』が40年以上の時を経てついに公開。しかも両作とも最新の技術を駆使した4Kデジタルリマスターによって美しい映像が見事に甦る。
時は中世。城に帰還したものの、聖杯探しに失敗し多くの戦死者を出したアルテュス王の円卓の騎士たち。その中のひとり、ランスロは王妃グニエーヴルとの道ならぬ恋に苦悩していた。神に不倫をやめると誓うランスロだったが、グニエーヴルにその気はない。仲間のゴーヴァンはランスロを心配するものの、権力を手に入れようと企むモルドレッドは罪深きランスロを貶め、自分の仲間を増やそうと暗躍する。団結していたはずの騎士の間に亀裂が入り始め、思わぬ事態が引き起こされるのだった……。
アーサー(アルテュス)王伝説に登場する王妃グニエーヴルと円卓の騎士ランスロの不義の恋を中心に、騎士道精神が崩壊していく様を現代的視点で描いた時代劇。監督三作目の『田舎司祭の日記』(50)の直後に製作しようとしたものの予算の問題などで挫折。その後も何度か映画化を試みるも成立しなかった企画が20年以上経ってついに実現、ブレッソン渾身の一作として迎えられ、第27回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。騎士たちのショッキングな殺戮シーンから始まるという従来のブレッソン作品からは想像もつかないような異色作でありながら、王への忠誠心、王妃への愛、そして神への誓いの間で苦悶する主人公はじめ、全編ブレッソン独自の美学に貫かれている。撮影は『ベニスに死す』(71)といったヴィスコンティ監督作や『たぶん悪魔が』『ラルジャン』(83)などのパスクァリーノ・デ・サンティス。
Lancelot du Lac 監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン 撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
出演:リュック・シモン[湖のランスロ] ローラ・デューク・コンドミナス[王妃グニエーヴル] アンベール・バルザン[ゴーヴァン]
1974年 フランス/イタリア カラー ヴィスタ 84分 配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA
© 1974 Gaumont / Laser Production / France 3 Cinema (France) / Gerico Sound (Italie)
『抵抗(レジスタンス)―死刑囚の手記より』(56)『スリ』(59)『やさしい女』(69)などで知られるフランスの映画監督、ロベール・ブレッソン。プロの俳優をキャスティングせず素人を起用するなど、過度な演出を徹底的に排除して真実そのものを追求する映像表現〈シネマトグラフ〉を標榜。ゴダールらヌーヴェルヴァーグの作家たちをはじめ世界中の映画人に多大な影響を及ぼし、寡作ながら唯一無二の傑作を生み出してきた彼の、日本では特集上映などを除き劇場未公開だったふたつの作品『湖のランスロ』『たぶん悪魔が』が40年以上の時を経てついに公開。しかも両作とも最新の技術を駆使した4Kデジタルリマスターによって美しい映像が見事に甦る。
裕福な家柄の出でありながら自殺願望に取り憑かれている美しい青年シャルルは、政治集会や教会の討論会に顔を出しても違和感を抱くだけで何も解決しない。環境問題の専門家である親友のミシェルや、シャルルに寄り添おうとするふたりの女性、アルベルトとエドヴィージュらと同じ時間を共有しても死への衝動を断ち切ることができない。冤罪で警察に連行されたシャルルは一層虚無に苛まれ、やがて銃を手にする……。
自然破壊が進み、社会通念が激変しつつある1970年代のパリを舞台に、ひとりの若者の死と生を見つめる終末論的な本作。本国フランスでは18歳未満の鑑賞が禁じられたほどの絶望に満ちた内容、急進的な社会批判などが影響してか我が国では長らく日の目を見ることがなかったが、国際的には〈シネマトグラフ〉のひとつの到達点として高い評価を受け、その証拠に第27回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞している。深刻な社会不安、環境危機が叫ばれる今だからこそ観られるべき作品であると同時に、ブレッソンは普遍的な個人の危機を丹念に見つめる。もちろんキャストは非職業俳優でありながら、フランソワ・トリュフォーはこの作品を「すばらしく官能的」な作品であるとして、特にメイン4人の若者たちの美しさを称賛している。撮影は『ベニスに死す』(71)といったヴィスコンティ監督作や『湖のランスロ』『ラルジャン』(83)などのパスクァリーノ・デ・サンティス。
Le diable probablement 監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン 撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
出演:アントワーヌ・モニエ[シャルル] ティナ・イリサリ[アルベルト] アンリ・ド・モーブラン[ミシェル] レティシア・カルカノ[エドヴィージュ]
1977年 フランス カラー スタンダード 97分 配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA
© 1977 GAUMONT
公開日 | 地 域 | 劇場名 |
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北海道 | ||
7月16日 | 札幌市 | シアターキノ |
東 北 | ||
上映終了 | 宮古市 | DORAホール(旧シネマリン) |
上映終了 | 仙台市 | フォーラム仙台 |
上映終了 | 山形市 | フォーラム山形 |
近日公開 | 福島市 | フォーラム福島 |
関 東 | ||
上映終了 | 新宿区 | シネマカリテ |
上映終了 | 武蔵野市 | アップリンク吉祥寺 |
7月16日 | 世田谷区 | 下高井戸シネマ |
上映終了 | 横浜市 | シネマ・ジャック&ベティ |
上映終了 | 川崎市 | 川崎市アートセンター |
上映終了 | 厚木市 | あつぎのえいがかん kiki |
上映終了 | 柏市 | キネマ旬報シアター |
7月1日 | 高崎市 | シネマテークたかさき |
甲信越静 | ||
近日上映 | 新潟市 | シネ・ウインド |
上映終了 | 松本市 | 松本CINEMAセレクト |
上映終了 | 上田市 | 上田映劇 |
上映終了 | 静岡市 | 静岡シネギャラリー |
上映終了 | 浜松市 | シネマe_ra |
中部・北陸 | ||
上映終了 | 名古屋市 | 名古屋シネマテーク |
上映終了 | 富山市 | ほとり座 |
上映終了 | 金沢市 | シネモンド |
関 西 | ||
上映終了 | 大阪市 | テアトル梅田 |
上映終了 | 京都市 | 出町座 |
上映終了 | 神戸市 | cinema KOBE |
上映終了 | 宝塚市 | シネピピア |
中国・四国 | ||
上映終了 | 岡山市 | シネマ・クレール丸の内 |
7月8日 | 広島市 | 横川シネマ |
近日公開 | 松山市 | シネマルナティック |
九州・沖縄 | ||
上映終了 | 福岡市 | KBCシネマ |
上映終了 | 佐賀市 | シアター・シエマ |
近日公開 | 熊本市 | Denkikan |
近日公開 | 大分市 | シネマ5 |
6月18日 | 鹿児島市 | ガーデンズシネマ |
上映終了 | 那覇市 | 桜坂劇場 |